無農薬、無堆肥、無肥料の野菜

大地の力をかりて,限りなく自然に近い状態で作物を育ててゆく方法です。化学肥料、農薬はもとより、有機質も人為的には施さず、自然界の天然供給物と灌水のみによって栽培しています。

自然農法や自然栽培と言う言葉をよく耳にしますが、自然とは人が手を加えないこと、農法や栽培とは人が手を加えることで、この二つの言葉は相反する言葉であり不自然に聞こえます。


私の農法は草を積み上げたりはせず不耕起(耕さないこと)でもありません。勿論いろいろと試してはみましたが私の住んでいる地域(標高400mの山間部) で作物を育てるのは環境的にみても人材を考えてみても困難であり、私の一番大事に考えている次の担い手を育てることが難しいと言う結論に達しました。どう すれば持続可能な農業が出来るのか、自分流の農業を確立させる為にはどのようにすれば良いか・・・、この七年間で出した結論が今の無肥料無農薬無堆肥栽培 です。

基本として水以外の何物も畑に入れない。農薬は勿論肥料も堆肥も入れない。水でさえ殆ど雨にまかせています。


雑草は野菜より大きくなれば刈り取る場 合もあり刈り草はそのまま放置するか圃場の外に持ち出します。間違っても除草剤を撒いたりはしません。また雑草が茂のを防ぐためビニールマルチをします。 冬はー12度くらいになるので、マルチとビニールトンネルをします。


春から秋にかけては虫の発生が尋常ではないので、防虫網をかけます。ハウスでの栽培も しています。1~3月まではいくらマルチやトンネルをしても全ての野菜は凍りついて収穫不能となる場合もあり雪が多い年は、トンネルが埋まってしまい開け ることすら出来なくなるためハウス内でマルチ、トンネル、防虫網をします。どうしても虫がついてしまった時は手で払い落とすか水で洗い流します。


就農した 時からこんなやりかたをしてきましたが、8年目になってやっと効率の良い仕事が出来るようになってきました。私も、もう65歳。どんなに頑張ってもあと 10年15年。私は今思っています。


農業として大切なことは子供やお年寄りが安心して食べることのできる作物をつくること。そして、農家にとって一番大切 なことは、専業農家として生活していけることだと。


これが、上手くかみあわなければ農村の未来はないだろう。短いが、中身の詰まった農生活を、少しでも多 くの若者に伝えてゆきたいと思っています。


1950年大阪生まれの大阪育ち。趣味「農業」

料理の世界に12年間関わり、農業へ。
料理人時代「食べる」と「生きる」を学び、食のあり方について徹底的に研究を重ねる。
そんな時農薬もかけず、肥料も与えない農法に出会い衝撃を受け、農法 を実施している研究農場へ出かけた事をきっかけに周囲の反対を押し切り農業の世界に入る。

 メッセージ:
いつも苦労をかけている妻には感謝以外の何物も有りません。

そして友人として付き合ってくれているお隣さん・・感謝して います。私の畑に私の作った野菜を求めにいつの日か大勢の人々が来てくれる姿を夢に見ています。それが現実となった時こ そ、お世話になった方々への恩を返す事が出来る時だと思います。